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エッセイ コラム

歳をとると、10代だった頃がどうしようもなく懐かしく愛おしく感じる

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僕がまだ19歳だった頃、まさか自分が二十代の後半に突入するなんてことは、遠い未来のように感じていた。

勿論、そのときがいずれ来ることは知ってたし、なんなら、手を伸ばせばすぐそこに届きそうなくらい近くにあるようにも思えたので、

それこそ、自分が中学生くらいのときに抱いていたように、漠然とした「歳をとる」という感覚は、

19歳にもなれば、もっと物凄く尊いものとして、実感を持って分かるようにはなったんだけど、

だからこそ、そうやって年齢を重ねれば重ねるほどに、子供だった頃の記憶って羨ましくて懐かしくて仕方がない。

特に中学生くらいの頃を思い出すと、メチャクチャ懐かしい気分になって、ノスタルジーに包まれた幸せな気分になる。

夏休みに友達とチャリで2ケツして、髪の毛を茶色にしてサングラス買って、朝の8時から遊びに出かけていって、川崎から横浜のみなとみらいまでチャリで走っていって、

くたくたになって疲れて暑くて、カラカラの喉に押し込んだ冷たいコーヒー牛乳がマジで最高に美味しかった。

夜中に親が寝た隙に黙って家を抜け出したときは、団地で友達と合流して、コンビニでカップラーメンとコーヒー牛乳買って、

キョロキョロ警察に補導されないか確認しながら団地に戻って、団地の屋上の階段でタバコ吸ってラーメン食って、

クラスの誰が可愛いだとか、アイツとアイツが付き合ってるだとか、他校のあの子と知り合ったとか、永遠と喋り巻くって、そんなことばかりしてました。

でも、そういう馬鹿みたいなことは、もう出来ないし、やらないよね、だって俺は、もう親が定めた門限もないけど、滅多に夜遊びなどはしないし、夜遊びしても誰にも怒られないし、

朝の8時から真夏にチャリで一日中お出掛けしてもいいけど、そんなことする意味がないっていうか、別に自転車の趣味ないし、電車や車を使えば良いし、だいたい時間が勿体無く思ってしまう。

それで、僕はよく思うんだけれども、子供の頃の記憶が懐かしいのは、おそらく敢えて自分から手を伸ばすことが、もう多分ないからこそ、懐かしいんだって考えてるんだよね。

別に手が届かないものは、一つもないけど、やらない、ていうか、絶対もう今から同じことしても、体験できない感情だったり。

例えば田舎暮らしが懐かしいのも、都会でいつも暮らしてるからで、田舎に戻れば田舎が懐かしいとか思わないのと似てるし、

かといって子供の頃に過ごした田舎での思い出や、当時の感情って、別に都会が消耗するからって田舎に住んでも再現できないものがあったりする。

もしくは、遠い昔に若い頃に一人で過ごした外国での生活が、切なく恋しく思い出せるのも、もう今の自分がそこに居ないからであって、いつかまた旅行で行きたいなとか考えるのは全然出来るけど、感情の密度だったり、当時の開かられた可能性こそ、青春だとも言えるわけで、取り替えは効かないっていうか。

だから、懐かしさって、そういうところが興味深いと思ってるし、若い頃に色んな物事が不安定だった頃に強烈に肌で受けた感情だったり感覚って、特別なものがあると思ってるんだよね。

だから、若いうちに色んな経験した方が感情が豊かになると思っています。

だって、都会にはいつでも住めるからさ。

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藤沢瞭介(Ryosuke Hujisawa)

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